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誰も本当のことなど言わないさ(仕事が欲しいやつほど調子のいいことを言う)。 ならば、俺が言う。 

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「ホームページ、隅から隅まで読みました」
そう言ってくれる依頼者は素直に嬉しい。僕を理解、あるいは評価してくれていると思えるから。昔は、デリヘルの手続きを扱うことを表立って表明する人は少なかった。だが、今はいくらでもいる。そう、いくらでも。もっと報酬が安いところ、もっと目立った宣伝をしているところもいくらでもある。にもかかわらず、僕を選んでくれた依頼者には厚く感謝します。そして、開業者に盛業あれ。
 
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Professional

 
 まず、こんな話をしたい。昔、僕は京都祇園にライブハウスを持っていた。開業にあたって、物件の契約を進めるとともに内装工事をどこに頼むか考えていたところ、当時、それほど親しくはなかったが僕のことを知っていたミュージシャンが自分にやらせてほしいと頼み込んできた。実は彼は無職、つまりは仕事欲しさの申し出だった。本人は大工ではないが、父親(年老いた)が元大工だという。ふたりで一緒にやりたいとのことだった。
 とりあえず、話を聞いてみることにした。打ち合わせの時間は13時に設定した。言うまでもない、昼飯はお互いに済ませた後で会おうということだ。彼は当日、自分の女を連れてきた。連れてきたというか、女は代理人気取り。彼だけでは話をまとめられないだろうと思ってしゃしゃり出てきたのだろう。その女は最初に言った。
「食事、済みました?」
 つまり、俺に昼飯をおごらせようという意図。俺はもちろん食事は済ませてきたので、
「まだだったら、ふたりで食べてきて」と答えた。
 馬鹿な女。普通は遠慮して、打ち合わせを優先する。だが、その女は男とふたりで食事に行った。俺を待たせたままで。食事中、「だめだったね」とか、「あの人、ケチだね」とか話していたのかもしれない。
 30分ほどしてふたりは戻ってきた。俺はさっそく仕事の話を切り出した。彼が言うには、プロよりは完成までの日数はかかるが、その都度、俺との打ち合わせを行いながら作り上げていくことができるという。俺は迷うことなく断ることにした。昼飯の件で既に断ることを決めていた。当然のこと、完成日が決まらなければオープンの日も決められない。また、工事期間が長ければ長いほど、家賃が無駄になる。
 正式に断りの連絡を入れたところ、相見積もりの業者の額を教えてくれと言ってきた。そこより安くするとのことだった。もちろん、断った。その業者も知人の紹介、信義に反することはできやしない。
 この話を思い出したのは、デリヘル開業についても同様のことが言えるからだ。手続きを行う事務所はいくらでもある。とはいえ、そのうちのどれだけがプロフェッショナルであるか。
 クラブやキャバクラの開業に関しては、多くが元々その業界にいた人が新規に店を出す。だが、デリヘルの開業では初めてこの業界に参入してくる人たちが大半だ。単なる開業届出なら、誰にでもできる。けど、大事なことはその後の経営。経営について、どれだけの話ができるか、あるいは情報、知識を提供することができるか、そこにこそ大きな違いが出てくる。