デリヘル開業:この業界に携わる人が好きだから
僕は彼ら、彼女たちを支援する。
■東海地方の40歳代の男性。「ホームページ、隅から隅まで見させてもらって決めました」、そう言って京都にまでやって来てくれた。「もう派遣社員は懲り懲りなんです」と、彼は再就職する代わりにデリヘルの開業で勝負した。
■「明日、子供の運動会なんですよ。今日は早く上りたいんだけど、どうかな、やっぱり無理かな」と、足を引きずりながら僕に缶コーヒーを手渡してくれた身障者の雇われ店長。
■「若いヤツ、食わせていかなくちゃいけないんで。本当は本業で食わせてやりたいんだけど」と、建設業を営む男性。
■あるデリヘル嬢、「自分でやってみることに意味があるかなと思って」。これもひとつの独立。
■「このままだったらずっとバイト生活なんで…。僕にもできるのなら、やってみたいと思って」。20歳代後半の男性。
■「子供の学費もそろそろかかるようになってきて、稼がなくてはいけないので」と、東京のIT関連の会社を肩叩きにあった元中間管理職の男性。あるとき、打ち合わせで彼は小声で呟いた。「絶対に成功させるんだ」。よく聞き取れなかったが、僕にはそう聞こえた。
これらをまとめたら、おそらく立派なドキュメント本が出来上がるだろう。かって、仕事で風俗で働く女の子と関わっていた関係で、彼女たちのことをやはり1冊の本が出来上がるだけの文章にしたことがある。日の目を見ることはなかったが、あのときの体験が僕の今の仕事のバックボーンになっている。